人事データベース項目を完璧に作ろうとするほど失敗してしまう話

前回は、人事データベース構築の第一歩、社員からデータを “集める”段階で陥りがちなポイントと、解決策案をお伝えしました。
「僕たちは”データを入力してくれない”同僚とどう向き合えばいいのか?」

今回は、人事データベースで集めるデータの項目設計について、人事および人材ビジネスの現場の実体験を踏まえて有効な経験則や目安をご紹介します。

人事データベースの項目は、完璧・網羅的でなくていい

データベースやアンケートを作る際、悩ましいのが項目の設定です。
特に人事データベースの場合、”人”という曖昧模糊なものをデータベース化しようとするため非常に難易度が高く、

「とにかく、沢山データを取っておいた方が、後々の活用や分析に役立つだろう!」
「後々きちんと引っ掛かるようにデータ整備は後でするから、どんな小さな情報でも網羅しておけば便利なはず!」
「データが集まった後に付与するタグも、沢山準備しておいた方がいいかな!」
と熱心な方ほど、よかれと思ってデータを分類するための要素を多め多めに用意しているシーンをよく見かけます。

しかし、実はこれが不幸の始まりで、膨大な工数をかけた割には
「データはいっぱいあるけど、なんとなく残してあるだけ」
「分析用のデータになっておらず、消さないでいるだけ」
という状態になるケースも珍しくありません。

実際に、半年以上データの整理にかかってしまったり、1年以上かけてもデータベースとして特に機能していない…という声も聞こえてきます。

そのため導入としては、「3つ程度の具体的なデータ利用シーンを想定し、そのシーンで最低限必要な情報・カテゴリに絞る」などシンプルな方がデータは集めやすいでしょう。

最初から99%までデータをカバーしようと完璧を目指す必要はありません。
まずは「とりあえず◯◯しようと思った時に使える!」状態を目指すことをおすすめします。

以下に人事や人材ビジネスの現場での実話をベースに、実際の現場に有効な経験則や目安をご紹介します。

選択式の設問では「選択肢は7つ、階層構造は2つ」までに絞る

例えば、経験職種を選択してもらう項目があるとします。
よく見かけるのが選択肢を網羅的に用意してしまい、
・業界の大分類プルダウンで選択肢が10あって…
→さらに中分類のプルダウンで選択肢が10あって…
→さらに小分類が…
という構造、もしくはチェックボックスが50個くらいずらっと並んでいる状態です。

この網羅的な状態を作るのも一苦労ですが、データを入れる方もさらに大変で、実際にはなかなか機能しません。

あくまで経験則ですが、一つの設問に対しては
・一項目で選択肢(チェックボックス)は7つまで
・プルダウンで階層構造にする場合は2階層(大カテゴリ>小カテゴリ)まで
というのが推奨で、これ以上となると急に回答率や回答の精度が落ちるようです。

またこれ以上網羅的に作っても、実際の運用で使われるケースは稀で、
「これとこの項目しか使ったことない…」
「意外とキーワード検索でなんとかなった…」
という例も珍しくありません。

人事担当が後から経験のタグ付け等をする場合も同様で、網羅的にタグを用意して貼るのではなく、「実際によく使われそうな上位7つくらいに絞ってデータ化する」というのがよいでしょう。

自由記入の設問は、質問よりも「回答例の作り込み」が重要

自由記入の設問は非常に有益な一方、人によって回答の粒度・密度がバラバラになりがちなのが辛いところです。

よくある例としては、

Q:自己紹介をお願いします
A:趣味は水泳です。よろしくお願いします!!

というのがひたすら並んでいる状態です。
特に社内wikiなどに独自に従業員名簿や社員データベースを作ろうとした際に、この”よろしくお願いしますデータベース”になるケースをよく見かけます。

自由記入の設問は、実は質問よりも回答例の作り込みが重要で、
・何文字くらいで
・どんな情報をどんな順番で
・どんなトーンで書くか
を明示する例文を添えておくことが効果的です。

例えば、上記の場合では
・略歴(140文字)を教えてください
・例)2013年に◯◯大学(◯◯学部)卒業
   →◯◯社にて◯◯向けのIT戦略提案やシステム開発を約3年間
   →2016年から◯◯系のベンチャーにてECサイトの企画・WEBコンテンツ編集を担当
   →2019年から現在は◯◯社にて◯◯を担当

などとガイドを記載するだけで、かなり粒度が揃ったデータベースになります。
例文は回答者がコピペしてそのまま上書きできるレベルのものを用意するのがよいでしょう。

手始めとして推奨したい人事データベース項目

人事データベースの主たる利用シーンで言うと、
・新メンバーのキャッチアップ用
・「こんなスキルセットの人いない?」を探す、社内マッチング用(異動やプロジェクトアサイン)
などでしょうか。

その場合、まずは以下などを用意できると効果的かと思います。
・基本情報+労務情報
・略歴(140文字)
・今までやってきた具体的なプロジェクト内容と担当領域
・今まで働いてきたチームやそこでの役回り
・今何に取り組んでいるか(or今のミッション)
・将来やってみたいことや目標

もちろん企業毎に組織運営の事情は様々だと思いますが、
「それは本当に検索で使われるのか?」
「それは本当に判断基準として使われるのか?」
という観点で項目を絞っていくと、運用に乗りやすい人事データベースになるかと思います。

何か一つでも参考になりますと幸いです。

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